2022.08.21Blog
獣医師は、人間の医師同様に膨大な知識を学び、数々の実習経験をこなしてきたプロフェッショナルである。
私たちが知らない専門的なデータも山ほど知っているだろうし、何より臨床獣医師は現場での数多くの実績がある。
動物関連の仕事の中で最高位の職であろう。
それは分かる。
分かっている。
けれど、巷の飼い主さんたちよ、なぜ犬が病気になってから病院に行って治療を受け、薬を貰う?
なぜ、犬が病気にならないように日々の生活を見直すことをしない?
「こういう病気を防ぐためにこれらの事に気をつけてあげてくださいね」
「日々の健康維持のために、フードやおやつは良質なもののみを与えてくださいね」
と、我々グルーマーがいくら言っても聞かないで、案の定犬を病気にさせてから病院へ行く。
そして、病院で獣医師の言うことは聞く。
たしかに我々よりも獣医師のほうがはるかに社会的地位も高く、より専門的な職であることは間違いない。
けれど、同じ『動物の専門家』でも、グルーマーと獣医師は分野が違う、つまり〝視点〟〝着眼点〟が違うのだ。
私たちグルーマーは『犬が病院へ行かなくてもすむように、病気やケガを未然に防ぐ仕事』
獣医師は『それでも犬が病気になってしまったりケガをしてしまった場合に、治療する仕事』
グルーマーの仕事は〝美容と予防〟なのである。
美容のたびに何度も何度も
「〇〇という病気かもしれないので病院で診てもらってください」
と言っているのに一向に連れていかず、数ヵ月後にだいぶ状態が酷くなってからやっと連れて行って
「トリマーさんの言った通り、やっぱり〇〇でした〜」
と報告を受けることもざらにある。
「それ見たことか!」
とツッコミたくなるが、時間が経過しても連れていくのはまだマシなほうで、言っても言っても聞かない人はまったく耳を貸そうとしない。
「病院代が高い」と嘆く飼い主さんたちよ、私たちのアドバイス聞いてるほうが、きっとトータルで考えれば節約できますよ。