2022.09.19Blog
きっとトリマーあるあるだと思うのだが、月に一度もしくは2ヶ月に一度ペースで必ず美容に出してくれる飼い主さんより、年間に一度もしくは数回しか美容に来ない飼い主さんのほうが、値切ろうとしたり「美容代は高い」と不満をもらすことが多い。
部分カットしか必要のない犬種、たとえばロングコートチワワ・ロングヘアードダックス・パピヨン・およびそれらの混じったミックス、または毛の量が少なくておうちでじゅうぶんに洗える犬種、たとえば毛のうすいヨークシャーテリア・およびそれくらいの毛量のマルチーズやそれらの混じったミックスなどは3ヶ月以上間隔があくこともあるだろう。
けれど、全身の毛が伸びる犬種、たとえばプードル・シュナウザー・シーズー・毛量の多いマルチーズ・およびおうちでのブラッシングやシャンプー、ドライングまで行うのが困難な個体は、せめて前回の美容から2ヶ月以内には美容に出してあげていただきたい。
幸いなことに私の店では、年間数回もつれだらけ毛玉だらけで連れてこられるわんこはほぼいない。
(何度か来たことはあるけれど、徐々に来なくなっていく)
ここ最近、トリミングサロンの値上げが増えた。
もちろん私たちの生活を取り巻くあらゆるものが値上がりしているのだから、トリミング料金も上がって当然である。
けれど悲しいかな、人間はたいてい自分の身の回りのもののレベルはギリギリまで落としたくない。
するとどうしてもペット関連の出費を抑えることとなってしまうのだ。
最近の〝意識高い系トリマーさん〟たちはこう言う。
『貧乏人は犬飼うな!』
これはさすがに極論すぎると私は思うのだが、たしかに美容代が惜しいのならカットが必要な犬を飼うべきではない。
飼う犬種によって、一生にかかる費用は大幅に変わる。
仮に同じ健康状態で15歳まで生きたとして、イタリアングレーハウンドやミニチュアピンシャーのようなスムース犬種と先に述べた全身カットが必要な犬種を比べれば、美容代だけをざっと計算しても一生のうちに約140万円ほど必要金額が変わってくるのだ。
その費用が出せないと思うのなら、スムース犬種を飼うべきである。
カット犬種の子犬はたしかにふわふわモコモコでとても愛らしい。
けれど、一生そのままの姿でいるわけがないのは考えなくても分かるだろう。
というわけで私のひと言としては
『飼う前にきちんと将来設計を立てること』
『飼ったあとで四の五の言わないこと』
これに尽きる。
あ、ふた言か(笑)