肥満の犬をダイエットさせられない飼い主が一定数いる
「シニアになって関節が弱くなると負担がかかりますよ」
「器官が圧迫されて呼吸に支障が出ますよ」
「胴が長い子は椎間板ヘルニアのリスクがありますよ」
「心臓にも負担がかかりますよ」
など色々お話しても、一向に痩せない
『人間』がダイエットできないのは理解できる
ついつい空腹に負けてしまったり、ストレスで食べてしまうのだろう
これは自己責任だし、自分の人生なので勝手にすればよい
一方、『犬』のダイエットは必要以上に犬に食べ物をやらなければ良いだけのことなのに、何故かできない人たちがいる
そういう人たちは決まってこのようなことを言う
「くれくれってこの子が言うのよ〜、あげなきゃ仕方ないでしょ〜(笑)」
「お散歩中に近所の人がくれるのよ〜、断れなくてね〜」
など
犬は自分のお小遣いでこっそりおやつを買って食べたりしないし、手の届かない場所に置いてあるおやつの袋を開けて勝手に食べたりしない
つまり、〝人間が与えなければ食べ物にありつけない〟という、完全に人間のコントロール下にあるわけである
自分たちの愛情表現として食べ物をあげすぎてしまう人もいるし、ストレス発散のためにそうしてしまう人もいるのだろう
けれど、どんな理由があろうとも、健康に支障をきたすほどのレベルまでいくと、それはもはや『愛情』ではなくなってしまうし、自分たちのストレス発散のはけ口として利用するうえでペットの健康を損なえば、それはもう広い意味では『虐待』の域にも入ってしまうと私は思う
犬にしろ猫にしろ、ペットに愛情を持つということはつまり「その動物らしさを最大限に発揮させ、それを維持してあげる」ことが大前提である
それは、決して「甘やかし」とは違う
その動物、その犬種は本来どのくらいの体型が理想か、それを維持するためにどんな栄養・運動が必要か、不要なストレスを溜めないためにどんな環境を提供すれば良いか、健全な生涯のためにどのようにコミュニケーションをとってあげるのが良いかなどを勉強して知ったうえで、個体差を考慮し行動すること、それこそが [真の愛情] なのである
『勝手可愛がり』と『愛情』を、どうか履き違えないようにしていただきたい