療法食を信じる飼い主さんは多い
療法食とは、ある種の病気になると病院で処方されるドッグフードのことである
病院でもらっているフードだし、『それを与え続けると病気が治る』とか、『それを食べておけば病気の予防になる』などと思っている人もいるかもしれない
けれど、療法食は決して『総合栄養食ではない』ということを頭に入れておいていただきたい
例えば、肝臓の数値が異常に高い検査結果が出た犬に処方する療法食には、肝臓の数値を上げる栄養素が大げさに言えばゴッソリ抜けている
そのため、それを食べておけば肝臓の数値が上がることはないというわけである
健康な犬や病気が完治した犬にそれを与え続けると、必要な栄養素が欠けた状態が続き、かえって病気を引き起こしてしまうことにもなりかねない
あくまでも獣医師の指導のもと決められた期間のみの使用をきちんと守ること、シロウト判断で与える与えないを決めないことが大切である
あと、紛らわしいネーミングで『〇〇に配慮』や『〇〇の健康』などと書かれたフードが市販されていることがあるが、それらは治療や食事療法を目的としたものではない
こういったフードも、与え方の間違いが病気を誘引する可能性もあるので一度かかりつけの獣医師に相談するほうが良いだろう
療法食は病気を治す万能フードではなく、あくまでひとつの処置として一定期間与えるためのもの
治療が終わり余ったフードは、感謝の気持ちとともにお役御免にしてあげよう