突然だが、私の下の名前は「いづみ」という。「つ」に濁点で「いづみ」である。
けれど、よく「いずみちゃん」と書かれる。
読み方は「いづみ」も「いずみ」も同じだが、殊ひとの名前については、字を間違えるのはとても失礼なことだと私は思っている。
ちなみにオセロの松嶋尚美さんは「なおみ」ではなく「なほみ」である。このように読み方が変わっている場合、例えば「智子」と書いて「さとこ」と読むような名前などは、はじめは間違えることはあるだろうが、私の場合はなんと言ってもひらがなである。
メールなどで、敢えて「いづみより」と書いているにもかかわらず、その返信に何回も何回も「いずみちゃんへ」と書かれていると、本当に悲しくなる。
ひらがなやで。
ひ・ら・が・な。
まあそれは置いといて(←置いとくんかい)、犬種名や病気の名前も間違える人がなかなか多いので、私のツッコミと合わせてご紹介しよう。
まずは私の職業であるトリマーは「ポリマー」とよく言われる。
ポリマーて・・・
わしゃオムツか。
私がいま生活を共にしているビションフリーゼ(Bichon Frise)は、バービションという系統の犬の中でフリーゼ(←巻き毛)に被われたものが犬種名の由来とされている説があるのだが、よく間違われるのは「ビジョンフリーゼ」や「ビジョンブリーゼ」
展望の(←ビジョン)そよ風(←ブリーゼ)って、なんかちょっとカッコイイけども。
そう言えば一年ほど前に「ジョフンゼリー」と言われたことがあったなぁ・・・。
一瞬頭の中で漢字が浮かんだのは「除粉ゼリー」
でも文字にしてみるとアナグラムのようである。
あと、青い悪魔ケリーブルーテリア(Kerry Blue Terrier)を「ケリーブルテリア」と呼ぶ人もいる。
犬種変わってまうやん。ブルて。
ドイツ語で口髭を意味するシュナウザー(Schnauzer)は「シュナイザー」とか言う人がいる。
シュナイダーに引っ張られてるやん。
仕立て屋か。
ドイツワイマールのガンドッグであるワイマラナー(Weimaraner)は「ワイナラマー」とか「ワラマイナー」
・・・そらマイナーやけども。
ヤマシギ(woodcock)の猟に使われていたコッカースパニエル(Cocker Spaniel)は「コッカスパニエル」
国歌スパニエル・・・
君が代か。
あと、心臓にそうめんのような虫が寄生する「フィラリア症」という病気は、おばあちゃんの飼い主さんが「フェラリア」とか「フィラニア」とかよく間違える。
「フェラリア」
おっ!フェラーリ好きなん?
「フィラニア」
ピラニアと混じってない?
たしかに固有名詞は特徴的な名前や呼び方が多い。しかし、それらはみんな由来があってのことである。私たちはそれらの名前に敬意を表し呼称すべきではないだろうか。
ちなみに私の知り合いになかなか残念な人がいて、その人は映画の最後に出てくる《END》という文字を見て「面白かったなぁこのインド映画」と言ったり、焼肉屋さんでメニューを見て、特上カルビを「とくうえカルビください!」と言ったりする。
ここまでくると興味深い。