昨今、グルーマー仲間のあいだではなんとも不可解なセミナーが横行している
「最近の犬は関節が弱いので、そういった子たちに無理をさせない優しい保定の仕方」
みたいな感じの内容である
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最近の犬は関節が弱い?
繁殖屋が不健全な犬を当たり前のように市場に出回らせていることに関しては気付かないふり・見て見ぬふりをして、出回った犬たちに合わせてやり方を変えることをあたかも〝新しいグルーミング〟〝犬に優しいグルーミング〟かのように言っている
私はこれに違和感を感じざるを得ない
もちろんグルーマーは犬の身体のケアをする仕事であり、繁殖の仕事とは別枠である
けれどボラトリ(←ボランティアトリミングといって、廃業になった繁殖屋の犬たちなどを無償で美容すること)などに行って「こんな子たちがまだまだいるなんて有り得ない」的なことをいくら発信しても、目の前の不幸な犬やどんどん作られる不健全な犬を憐れむだけでは何の解決にもならないのだ
不健全な犬が当たり前のように出回り、不健全な犬に合わせた商品が販売され、不健全な犬に優しいサロンが繁盛する
こんなヘンテコなサイクルがあっていいのだろうか
もちろん私もすべての犬に優しく触れているし、骨格構成も理解しながらその犬に合わせて犬体コントロールをしているけれど、そういうことではなく敢えて〝負〟のほうにシフトしていることに違和感を感じるのだ
「そんなことする前に健康な犬作れよ!」
↑↑↑つまりこれが言いたいことである
というわけで、私もできるだけ近いうちに健全な繁殖を始めようかと考えている
初めの犬選びが肝心なので、すぐというわけにはいかない
しっかりと勉強して慎重に見定め、譲り受けられる機会を待とう