自転車の後輪がパンクした。
何度か行ったことのある自転車屋さんがお休みだったので、少し遠い自転車屋さんに行った。
とても人情味のある自転車屋さんで、親切に色々話してくれた。
修理が終わって取りに行くと、おじさんが金属トレイに入った黒い粉を見せて優しい口調でこう言った。
「これ、チューブが摩耗してできたカス。お姉さん、タイヤの空気圧が足りない状態で走りすぎ」
どうやら、特別なものを踏んだのではなく、磨耗により弱くなったところに強い衝撃を受けてパンクしたようだった。
自分の自転車をまじまじと見ると、タイヤの側面にもヒビが入っている。
もしこれが自動車ならかなりの危険信号ではなかろうかと不安になり、「このヒビは大丈夫ですかね〜?」と聞くと、
「うん、そんなん言い出したらチェーンもさびてるし、他にも気になるところはいっぱいある(笑)」
と言われた。
なるほど、確かにプロの目から見るとかなりツッコミどころ満載の状態で乗っているに違いない。
トリミングで死毛(←抜けた毛)や毛玉を取り除いたぶんを「これだけ取れたんですよ」と飼い主さんに高らかに見せて、「おうちでしっかりブラッシング頑張ってくださいね」とエラそうにアドバイスしているけれど、分野が変われば私もド素人。
もちろん自転車はただの道具で、走れなくなれば新しく買い直せばいいけれど、犬はいのちと感情ある生き物だからそうはいかないし、しっかりお手入れしてあげる重要性は自転車に比べれば高いと思う。
それでも、構造について詳しく知らないもの(←ここでは自転車)を当たり前のように使っている〝怖さ〟を少し感じた。
知らないもの、知らないことはまだまだ山のようにある。
日々勉強である。